今月の絵本①「すてきな三にんぐみ」
2歳10ヶ月の娘にあげた絵本、今月1冊目は「すてきな三にんぐみ」。
1969年に発表された古典的名作ですが、Amazonのレビューでもわりと賛否両論になっています。
暗めの雰囲気で個性的な絵
子供が食いつきやすい絵柄ってあってだいたいこんな感じの可愛いやつ。
ただ甘いお菓子だけじゃなくて世界にはもっといろいろな味があることを知って欲しいと考えているので、絵本を買ってあげるときはなるべく↑のような絵柄じゃないものを選ぶことが多いです。
この「すてきな三にんぐみ」、ベースが彩度低めの暗いブルーで主人公の三にんぐみは黒いシルエットという幼児向けっぽくない絵柄ですが、きれいです。
富の再生産
あらすじはこんな感じ(Amazonより)
宝集めに夢中だった三人組の大盗賊が、ひょんなことから全国の孤児を集め、お城をプレゼントする。
簡素かよ。
まあ要約すれば上の通りなんですけど、私はピカレスクな雰囲気をベースに富の再生産を描いた話と読みました。
レビューなんかでは「三にんぐみがいいことをしたって元は泥棒だし微妙な気持ちになる」的なものも結構ありますね。意見が分かれるところなのでしょう。
善悪が話の中で揺らいでいて定まっていないところに居心地の悪さを感じる人も多いかもしれません。
悪人はずっと悪人でなければいけないのか?ともちょっと考えました。
日本語訳がよい
原文で読んでいないので英語の方はわからないのですが、日本語訳の文章が良いです。
「あらわれでたのは」「すみをながしたようなよる」とか口語では使わないような文章に子供が触れる機会になるのもいいですね。
読み聞かせするときはいつもよりちょっと低いトーン恐ろしげにで読むと親の私も楽しかった。
子供の反応
娘の反応もそこそこ良かったです。「さんにんぐみよんで〜」と持ってくることもしばしば。
ただラストのページの意味がまだイマイチわからないのか、「おしまい!」という感じは受けていないっぽく、読み終わりに毎回ちょっと微妙な雰囲気が漂います…。
たぶんきちんと意味がわかるのはもう少し先になりそうなので、そういう意味では息が長く楽しめそうな絵本でした。